Japanische Klassiker mit Furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Lesen Sie 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.586 Zeichen · 159 Bildschirme
新太郎は急に一杯飲み直したくなって、八幡の駅前に、まだ店をたたまずにいる露店を見廻した。しかし酒を売る店は一軒もない。喫茶店のような店構の家に、明い灯が輝いていて、窓の中に正札をつけた羊羹や菓子が並べられてあるのを、通る人が立止って、値段の高いのを見て、驚いたような顔をしている。中には馬鹿馬鹿しいと腹立しげに言捨てて行くものもある。新太郎はつと入って荒々しく椅子に腰をかけ、壁に貼ってある品書の中で、最も高価なものを見やり、
「林檎の一番いいやつを貰おうや。それから羊羹は甘いか。うむ。甘ければ二、三本包んでくれ。近処の子供にやるからな。」
(昭和廿一年十一月草)