Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よいことをしたよろこび

善いことをした喜び

小川 未明

Lesen Sie 善いことをした喜び (よいことをしたよろこび) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.586 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

思ったよりもたくさんなのを喜んで、またもとのように財布に移しました。そして、もしや、身の周囲に銭を落としはしなかったかと、ぐるぐる見まわしていました。

このとき、太鼓をたたいて、一人の哀れなじいさんの乞食が、「南無妙法蓮華経。」といって、家の前に立って、あわれみを乞うたのであります。

けちんぼうのおばあさんは、乞食を見るのが大きらいでありました。断るのもめんどうと思って、手ににぎっていた財布を、急にむしろの下に隠して、目をつぶって眠ったふりをしていたのであります。髪の白くなった、目のしょぼしょぼとしたじいさんの乞食は、いつまでもそこに立って題目を唱えていましたが、おばあさんは、まったく眠ってしまったように目をふさいで、じっとして身動きすらいたしませんでした。

しばらくして、乞食は、もはや望みのかなわないものと思ってか、その家の前を立ち去って、さよ子のいる方へと歩いてきました。やがて、さよ子の家の前に立って、太鼓をたたいて哀れな声で題目を唱えたのであります。

さよ子は、おじいさんの乞食を見ると、急に目の中に、いっぱいの涙がわいてきました。ほんとうにふしあわせの人だと思ったからであります。