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Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

「それはそれは、とんだ苦労をなされましたな」と、小平太も相手を労るように言った。「だが、これも時代時節というもの、そのうちにはまたいいことも運ってきましょう。あまりきなきな思って、あなたまで煩わぬようにされるがようござりましょうぞ」

「ありがとう存じます」と、娘は優しく言われるにつけて、またもやせぐりくる涙を前垂の端で押え押えした。

「で、母御はその後ちっとはおよろしい方でござるかな」

「それがどうも捗々しくございませんので……この夏から始終寝たり起きたりしていましたが、秋口からはどっと床についたきりでございますの」

「それはまた御心配な」と、小平太は心から同情するように言った。「まあ、せいぜい大切にしておあげなさるがいい。手前もまた何かのおりにお訪ねすることもござろうが、ただ今のお住家はこの御近所で?」

「はい、妙見様の裏手の七軒長屋で、こちらの茶店へ出ているおしおと聞いていただけば、じき知れますの」と言いかけて、ふと気がついたように、「でも、大変汚い所でございますので、あなた方にいらしていただくような……」と、遠慮がちに言いなおした。

「いやなに、今では手前もごらんのとおりの身の上、その御遠慮にはおよびませぬわい」