Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
彼はぎくりとして思わず後へ退った。が、間が離れているので、向うでは気のつくはずもない。そのまま廊下づたいに、音もなく下手へはいって行く。
小平太は振返って、用心深くあたりを見廻した。幸いに、どこから見ていられた様子もない。この上危い思いをして覗いていても得るところはあるまい、ここらが見切り時だと、彼は急いで門を離れた。が、せめて長屋の戸前でも数えて行ってやれと、心の中でそれを読みながら歩いているうちに、不意に背後で「わあッ!」という声がして、五六人の子供が彼のそばをばたばたと駈けだして行った。一人の吹矢を持った男の子の後から、大勢がいっしょになって駈けだして行くのだ。彼はまた胆を潰した。が、それと分ると、まあ、あそこにぐずぐずしていないで、いい塩梅だと思った。そのうちにとうとう表門まで来てしまった。で、
「どうもありがとう存じます、行って参じました」と、もう一度門番に挨拶をして、街の上へ出た。
六
小平太は一丁ばかり来て、始めて吾に返ったように息を吐いた。別段取りたてて吹聴するようなこともないが、使命だけは無事に果した。これだけ見てくれば、同志の前に面目の立たぬようなこともあるまい。