Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
いずれ後からまた委しいことは通達するが、それまではかまえて静穏にしているようにというのであった。
小平太は張り詰めた気が一時に弛んで、妙にがっかりしてしまった。彼には討入の日の延びたということがちっとも嬉しくなかった。なるほど、五日の夜は延びた。ぼうっとして考えていると、何だか仇討というようなことは夢のように遠い空のかなたへ消えてしまって、そんな日は永久に遣ってこないような気もしないではない。しかもその日は厳然としてあるのだ。それだけはけっして動かない。いつかはまた弛んだ気を引締めて、いったんほぐした覚悟をもう一度しなおして懸らなければならない。それが彼には辛かった。そんなことはとても自分の力には及ばないような気もした。
彼はもうどうする気もなかった。で、一日二日は宿に引籠ったまま、うつらうつらとしていたが、そのうちにまたおしおのことが想いだされた。そうだ、この可厭な気持から免れるためには、やっぱりあの女に逢いに行くほかない。なに、庄左衛門は女のために大義を衍ったかもしれないが、俺の怖ろしいものは別にある。それは自分の心だ! こうして一人でくつくつ考えていたら、しまいにはどんなことをしでかすか分らない。