Japanische Klassiker mit Furigana
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しじゅうねんまえのエキスカージョン
四十年前のエキスカージョン
和辻 哲郎
Lesen Sie 四十年前のエキスカージョン (しじゅうねんまえのエキスカージョン) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.026 Zeichen · 7 Bildschirme
そういう気持ちでゆっくりと法隆寺へ近づいて行ったのであるから、南大門をはいって遙かに中門を望み見たとき、また中門に立って五重の塔と金堂と、それを取り巻く回廊とを眺めたとき、実際に魂がふるえるような感銘を受けたのであった。これは一つには美術史を専門とする仲間と一緒であったということにもよるであろうが、主として徒歩によるゆっくりとした近づき方によると考えられる。
そのころ健在であったあの壮麗な金堂の壁画や、金堂の壇上北側に据えてあった橘夫人の厨子、東側北寄りの隅に据えてあった玉虫の厨子なども、わたくしの心に強い驚嘆の念を呼び起こした。それらの前でどれほどの時間を費やしたかは覚えないが、いろいろ説明も聞き、解らないところを探索し、堪能するまでそれらを眺めた。しかし昼食をとるまでにはなお五重の塔の塑像や、講堂の仏像や、聖霊院の太子像や、綱封蔵のいろいろな作品を見て回った。夢違の観音や、木彫の九面観音などは、そのころ綱封蔵に置いてあった。なおそのほかに、講堂の西側背後の小高いところをのぼって、西円堂を見た覚えがあるが、その時にはだいぶ疲れを覚えて、ほとんど印象が残っていない。