Japanische Klassiker mit Furigana
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しこくへんろにっき
四国遍路日記
種田 山頭火
Lesen Sie 四国遍路日記 (しこくへんろにっき) von 種田 山頭火 (たねださんとうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.842 Zeichen · 32 Bildschirme
七時から十時まで越智町行乞、しぐれだしたがしぐれるままに行乞しつづけた(薯、餅、菓子、柿、密柑、――そのまま食べられるものが今朝はうれしかった、何しろ腹が空っては読経が出来ない!)、それから行けるところまで行く心がまえで。――
午後は晴れた、風景よろし(寺村橋より殊に)、しみじみ山と水とを観た。
川口行乞、伊野――越智――とつづいて行乞成績がよい、遍路街道でなく、そしてまた遍路も稀で、人情も信仰もあついものがある、今日の功徳は銭五十八銭米一升四合。
野宿覚悟で川口の街はずれをいそいでいると川土手の下から呼びとめられた、遍路さんお米を売ってくれないかとおかみさんがいうのである、そこへ下りて行くと家といえば家のような小屋が二軒ある、一升買ってくれた、しかも四十二銭で、――竹籠を編んでいた主人公が、よかったら泊って行きなさい野宿よりましだろう、という、渡りに船で泊めて貰う、板張、筵敷、さんたんたる住居である、そして夫婦のあたたかい心はどうだ!(茶碗も数が足らなく蒲団も掛一枚きりだった)子供六人! 猫三匹、鶏数羽、老人、牛。……
私はなけなしの財布から老人と主人とに酒を、妻君と子供に菓子を買ってあげて、まずしい、しかもおいしい夕飯をみんないっしょにいただいたことである。