Japanische Klassiker mit Furigana
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よねんかん
四年間
山本 周五郎
Lesen Sie 四年間 (よねんかん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.135 Zeichen · 36 Bildschirme
一
一
「ここはどうです、痛みますか」
医者はそう云いながら静かにゾンデを動かした、
「やっぱり痛まない、そう……ここはどうです」
信三は医者の顔を見ていた。まだ若くて臨床の経験には浅いようだ、治癒の困難な症状に当たるとそれが表情にあらわれずにいない、今も彼の額には汗がにじみ出ているし、さりげない態度をとろうとしながら困惑の色が隠しきれなかった。今日までにもう三回、X線写真も撮って見、血液や尿の各種の検査もすんでいた。いよいよ診断を与えなければならないのだが、どういう言葉でそれを云ってよいかに迷っている容子が明らかだった。
「結構です、どうぞ着てください」
医者はそう云って四十分以上もかかった診察をようやく終わった。信三はゆっくり服を着ながら、それとなく医者の動作を見まもっていた、彼が手を洗い手をふいてひどく不決断な足どりで戻って来るまで、……そして椅子にかけてカルテを引き寄せたとき、なにげない調子で信三はこうきいた。
「やっぱり体部のほうへ進んでいますか」
「…………」医者は体を固くした。
「治療する余地がまだありますか」
「とおっしゃると」若い医者は取りあげたペンをおいてまぶしそうにふり返った、