Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
四十を越し候と人間も碌な事には出合わず、ただこうしたいと思うのみにて何事もそう出来し事無之、耄碌の境地も眼前に相見え情なく候。御能へは多分参られる事と存居候。万事はその節。匆々頓首。
六月十日金之助
虚子先生座右
京都で会った漱石氏
私は別項「漱石氏と私」中に掲げた漱石氏の手紙を点検している間に明治四十年の春漱石氏と京都で出会った時の事を昨日の如く目前に髣髴した。これは「漱石氏と私」中に記載してもいい事であるけれども、手紙の分量の多いために、一々その聯想を書く事は煩しいので、そこにはこれを省き、別に一章としてその当時の回想を書き止めて見ようと思い立ったのである。
それは春雨の降っている日であった。七条の停車場から乗った俥は三条の万屋の前に梶棒を下ろした。幌の中で聞いている京都の春雨の音は静かであったが、それでも賑やかな通に出ると俥の轍の音が騒々しく行き交ってやわらかみのある京都言葉も、慌しげに強く響いて来るのであった。今俥の幌の中からぬけ出て茶屋の前に立った私は春めき立った京都の宿の緊張した光景を直ぐ目の前に見た。二、三人の客は女中たちに送られて門前に待っている俥に乗って何処かに出掛けて行くらしい様子であった。