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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくじはんのゆくえ

国事犯の行方

国枝 史郎

Lesen Sie 国事犯の行方 (こくじはんのゆくえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.341 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

恰度教員が不足でしてな。代用教員の欲しいところでござるよ」

「それはそれは有難いことで、是非お願い致します」

こんな具合で佐藤義範は大旗小学校の教員となった。子供には親切村の人達にも丁嚀、それに何うして学力に於ては校長を遥かに凌いでいたので彼の評判は素晴らしかった。

或日村方の有志とも云うべき岩村斌、武井峰松、この二人がやって来たが、

「先生、ひとつ私共の為めに漢籍の御教授を願い度いもので」

こう佐藤に頼んだものである。

「私など未々若輩で。……それより校長にお願いしたら」

「校長さんはお忙しい。それに少々老朽でしてな。アッハッハッハッ」と笑ったものだ。

「そうですか、そう迄仰有るなら、出来ない迄もやって見ましょうか。」

「場所はこっちで見付けますから」

こう云って二人は帰って行った。

場所は岩村家の離舎と決り好学塾と名付けられた。農村のことであったから授業は勿論夜間であった。教授課目は「大学」と「史記列伝」傍ら「韓非子」をやろうと云うのである。

彼の講義振は鮮で所謂る水際立っていた。二月余経った頃には塾生の数も八十人を越し、唔の声道に響き行人の足を止める程であった。