Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もぐらとらくばん

土鼠と落盤

黒島 伝治

Lesen Sie 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.823 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

「こういうところを見せてやりたいなあ!」

十一時頃に、井村は、坑口にまで上ってきた。そして検査官が這入って来るのを待った。川の縁の公会堂附近に人がだいぶ集っている気配がして唄のようなものがきこえてきた。

今日こそ、洗いざらい、検査官に、坑内が、どれだけ危険だか見せてやることが出来る。どれだけ法規違反ばかりをやっているか見せてやることが出来る。――彼は、どれだけの人間が、坑内で死んじゃったかそれを思った。まるで、人間の命と銅とをかけがえにしているのと同然だった。祖母や、母は、まだ、ケージを取りつけなかった頃、重い、鉱石を背負って、三百尺も四百尺も下から、丸太に段を刻みつけた梯子を這い上っていた。三百尺の梯子を、身体一ツで登って行くのでさえ容易でない。それを、彼女等は、背に重い鉱石を背負っていた。彼女等は鉱石のために背をうしろへ強く引きつけられた。手と足とがひどく疲れた。我慢をした上に我慢をして登った。が、もう、梯子が三ツか四ツというところまで漕ぎつけて、我慢がしきれなくなって、足を踏みはずしたり、手に身体を支える力がなくなったりして、墜落した。上の者は、下から来ている者の頭に落ちかゝった。