Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちゅうま
地中魔
海野 十三
Lesen Sie 地中魔 (ちちゅうま) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.599 Zeichen · 50 Bildschirme
「正金銀行の金庫の底に、爆弾が仕掛けてあったのだ。……そいつに手首を吹き飛ばされたのさ」
怪盗にしては、百万弗の代償にしろ、たいへん不出来ではないか。
恐しき相手
「俺ともあろうものが、かけがえのない手首をもがれるなんて。無念だッ」岩は手首のない右腕をブルブルふるわせて叫んだ。「どうだ、これを怪しいとは思わねえか。あの金庫のことは、ネジ釘一本だって調をつけてあったんだ。それにむざむざと……」
「そういえば親分」と兄貴株の紳士鴨四郎がいった。「昨日のラジオじゃ、エンプレス号は午前中に金貨と諸共、海底に沈んだそうで、それが間もなく潜水夫を入れて探したところ、もう百万弗の金貨が影も形もなくなっていたという。しかし親分の話では、昨夜遅く、正金銀行まで出掛けて、百万弗を奪ってきたという。これじゃ話が合わない。一体どっちが本当なんです」
「それだ」岩の顔は歪んだ。「俺は正金へ金貨を搬ばせる計画だった。ところがラジオでは、海底に金貨が沈んだと放送し、それから二度目のニュースでは、金貨が海底で見えなくなったという。これでは俺が手を出さない先に、鳶に油揚をさらわれた形だ――と、もう少しで口惜涙で帰るところだった。