Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Lesen Sie 地獄の使者 (じごくのししゃ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.419 Zeichen · 152 Bildschirme
籠絡シ土井家資産ノ大部分ヲ横領スル等ノ悪事ヲ行イタリ、右自筆ヲ以テ証明ス。昭和十六年八月十五日、東京都麹町区六番町二十五番地、旗田鶴彌印”――というんですが、これは如何です」
帆村はメモを見せながら訊いた。亀之介は、ふふんと鼻で嗤った。
「兄貴は悪い奴ですね」
「こういう貴重な告白書が缶詰の中に入って届けられたものですから、鶴彌氏としては狂喜して、早速それをその場で火をつけて焼き捨てたのですが――まさか自分の書いたその告白書にいつの間にか猛毒ケリヤムグインが浸みこませてあったとは知らず、鶴彌氏は狂喜の直後に地獄へ旅立ったという――これは如何です。御感想は……」
「なかなかお上手ですな、小説家におなりになった方が成功しますね」
帆村は肯いて、メモをポケットに収った。
「それでは失礼ですが、あなたの左のポケットに入っているハンカチーフをお見せ願いたいのですが……」
亀之介はぎょっとして立上った。帆村もまた立上った。亀之介は、あたりへ急いで目を走らせたが、戸口のとこへ、さっきの警官を始め二名の新手の警官が現われて、しずかに中へ入って来た。
「失礼ながらさっきあなたが黒い灰をハンカチーフにお収いになったことは、進藤君――そこに居る警官が、あそこの洗面所のカーテンのうしろから一伍一什拝見していたんですよ。