Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Lesen Sie 地獄の使者 (じごくのししゃ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.419 Zeichen · 152 Bildschirme
序に記しておくが、鶴彌と亀之介は兄弟であるが、母親を異にしていた。二人の母親同士は、生きている間、互いに激しく睨み合ったもので、このことについてもすこぶる怪奇事件がまといついてあるのであるが、それは本件に関係がないので、ここには述べない。
さて、右のとおりの事情が判明して、事件の筋は明瞭となったのではあるが、亀之介は係官を最後まで手こずらせた。殊に亀之介が、鶴彌の遺産を狙うものではないことを強く主張して、係官をまごつかせた。このことは、まだ犯人の判明しない捜査の最初の頃、亀之介が自供したところでもあるが、鶴彌の遺産は、彼亀之介が継ぐのではなくして、鶴彌には庶子伊戸子というのがあり、それが継ぐのだと申立て、自分が鶴彌を殺して遺産を狙ったものではないと反発した。
そこで戸籍しらべとなったが、鶴彌の書斎から出て来た戸籍謄本を見ると、なるほど伊戸子という庶子の名があった。彼女は十歳であった。そこで亀之介が遺産相続を狙ったものではないことが認められた。だがどうもおかしいので、なおも続いて戸籍調査をしてみたところ、その庶子の伊戸子という娘は、その生母ともろともに、戦災で死んだことが判った。