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Japanische Klassiker mit Furigana

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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Lesen Sie 地獄の使者 (じごくのししゃ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.419 Zeichen · 152 Bildschirme

Aozora Bunko

と、亀之介は歯牙にもかけないような顔をしたが、しかし彼の語調に狼狽の響きがあった。「ひどく酔っていたもんで、咽喉がからからなんです。ですから小林に水を貰って呑んだように思います」

「腰紐がぶら下っていることや、なまめかしい長襦袢のことはよく覚えていらっしゃるのに、水を貰って呑んだことは記憶がぼんやりしているのですね」

「それは皮肉ですか、こっちは正直に話をしているのに……」

「いや、あまり気にしないで下さい。そして家政婦が水を大きなコップに入れてくるまで、どこで待っていましたか?」

「二階へ上る階段の下です」

「お待ちになっている間、そこからどこへも動かれなかったんですか、例えば小林の後を追いかけて勝手元へ行ってみるとか、或いは又、小林の部屋へ入ってみるとか、そんなことはなかったですか」

「失敬なことをいい給うな。僕が――この邸の主人の弟が、なんであんな婆さんの後を追うんです。僕は色情狂ではない…………」

「いや、よく分りました。これで伺いたいことはすみました。どうぞお引取り下さい」

亀之介はなおもぷりぷり憤慨して、帆村を睨みつけていたが、やがて火の消えた葉巻煙草をぽんと絨毯の上に叩きつけると、すたすたと部屋を出ていった。