Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Lesen Sie 地獄の使者 (じごくのししゃ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.419 Zeichen · 152 Bildschirme

Aozora Bunko

帆村の事務所(二)

「確かな証拠というやつは、もう相当集っているのかい」

「うん。僕としてはいくつかのそれを持っている、動かない証拠をね」

「じゃ、それは今どんな形に積みあげられているのかね。どんな方向に向いているのか」

「まあ、それはいわないで置こう」

帆村は土居の方をじっと見た。

「その証拠なるものが語る謎の言葉を、僕はまだ殆んど聞き分けることが出来ていないんだ。口惜しいことだがねえ」

二人はしばらく沈黙に陥った。部屋の窓から、夕空が赤く焼けているのが見られた。

帆村の事務所(二)

やがて土居が口を開いた。

「ピストルに関する調べは、全く無駄に終ったわけだね、なにしろ死因がピストルの弾丸でないと分ったから……」

帆村は黙って土居の顔を見る。

「ねえ帆村君、そうだろう。すると、その取調べの途中に、重大なる容疑者として新しく登場した小林トメなんかは、容疑者から解放されたわけだろう」

「ピストルは、やっぱりこの事件に重大な役割をつとめていると思う。だからそれに関する取調べは無駄ではないと思うよ」

「なぜさ。意味がないものは消去して考えたがいいと思うがね」

「しかしねえ、君」

帆村は吸殻を灰皿の底にすりつける。