Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Lesen Sie 地獄風景 (じごくふうけい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.774 Zeichen · 108 Bildschirme
何とも形容し難い地鳴りが起った。大地震の前兆の様な、おどろおどろしき音響が鳴りはためいた。
地震ではない。だが、地震以上の地獄風景が、やがて人々の眼前に展開された。
先ず、浅草十二階を模した摩天閣が、その中程から折れちぎれて、スローモーションで、土煙りを上げながら、くずれ落た。そこに昇っていた仮装の客達が、土煙の中で、空中にもんどり打って、地獄の亡者の様に、大地へと墜落して行くのが、まざまざと眺められた。天地もとどろく大音響と、恐ろしい地響が、相次いで起った。
「次は観覧車だッ」
治良右衛門の叫び声が物凄く聞えた。
忽ち大空の観覧車に異変が起った。大観覧車の車輪が、カランカランとほがらかな音を立てながら、組立ておもちゃの様に、解体して行った。それにブラ下った十幾つの小型電車の様な箱の中には、どれもこれも満員の乗客であった。彼等は箱もろとも、大地に墜落しながら、車室の窓から、手をさし出し、顔一杯の口を開いて、身の毛もよだつ悲鳴を合唱した。
阿鼻地獄。叫喚地獄。
パノラマ館の丸屋根は締金がはずれて、円筒形の壁の中へ、スッポリと落込んで行った。
コンクリートの大鯨は、百雷の音と共に、粉々になって四散した。