Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じごくふうけい

地獄風景

江戸川 乱歩

Lesen Sie 地獄風景 (じごくふうけい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.774 Zeichen · 108 Bildschirme

Aozora Bunko

点を除くと、譲次が最も濃厚なる嫌疑者であることは、誰も疑わなかった。

検事は譲次を前に呼び寄せて、鋭い質問をあびせかけたが、彼は何事も知らぬ存ぜぬの一点張りでおし通した。

検事は更に治良右衛門、木下鮎子、大野雷蔵、餌差宗助などをも取調べたが、これという程の発見はなかった。

その朝、三重の殺人事件が起った時間には、治良右衛門は例によって観覧車の箱の中に、鮎子と雷蔵とは、建物の中の各自のベッドに、まだグーグー寝ていたことが明かになった。それぞれ証人があって、一点の疑を挟む余地もなかった。

脊むしの餌差宗助は、早起きの男で、その朝も五時頃から起き出で、園内を見廻っていたと申立てたが、園内といっても山あり川あり広い場所のこと故、犯罪の行われた時分、彼がどこで何をしていたかは、誰も目撃したものがなかった。つまり彼にはアリバイとなるべき証人がなかったのだ。

右の人達の外に、花火係りのKという男が検事の取調べを受けたことは注意すべきだ。

「君は今朝六時頃に花火を打上げていたということだが、そんなに早くから、何の為に花火なんぞを上げていたのだね」

検事が尋ねた。

「ヘエ、それが私の仕事なんで、毎日、朝の六時から夕方の六時まで、ひっきりなしに昼花火を打上げているのが、私の役目なんです」