Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Lesen Sie 地獄風景 (じごくふうけい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.774 Zeichen · 108 Bildschirme
大鯨の心臓
そして、当の湯本譲次が唯一の被疑者として引致せられたことは云うまでもない。
大鯨の心臓
木島刑事は、検事や警察の人々と一緒に楽園を立去ろうとはしなかった。署長の命令もあったし、彼自身も、まだこれで、事件が解決したとは信じていなかったからだ。
その午後、彼は一人で、園内をブラブラ歩いていた。
ふと気がつくと、彼の面前に、真黒に塗った漆喰の小山の様なものが横わっていた。全然黒く塗りつぶした中に、ただ一点しみの様な白いものがあった。それがこの怪獣の目だ。作りものの大鯨が、小さな白い目で刑事を睨みつけていたのだ。
目の下の口の辺にポッカリ開いた黒いほら穴が、鯨の胎内への入口だ。刑事はその内部の不思議な光景をよく知っていた。大人をもひきつける不気味なお伽噺の世界だ。
彼はその胎内へ這入って見る気になった。黒いほら穴をまたいで、大鯨の口を這入ると、そこに不気味なでこぼこの大きな喉があって、それから、やっと一人通れる位の食道の細道が、ズッと胃袋まで続いていた。
露出した電燈は一つもなく、光源は皆臓器の繊維の内部に仕掛けてあるので、それが青黒い粘膜を通して、曇り日の様な薄あかりを行手に漂わせていた。