Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Lesen Sie 地獄風景 (じごくふうけい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.774 Zeichen · 108 Bildschirme
ゴンドラの唄
「これが、恐らくカーニバル第一の余興だよ。あすこの丘の上に、等身大の生人形がズラリと立ち並ぶんだ。それを、お客様達が、ここから、このキルク玉で、ボカンボカンと撃つのだよ。愉快じゃないか。命中した時にはね。バットや敷島のご褒美じゃつまらない。ご褒美の代りには、花火がドカーンと上るのだ。そしてね、五色の花びらが雪の様に空から降って来るのだ。花火玉の中にそれを一杯つめて置くのさ。そして、楽園の中のジャズバンドが、ワーッと天変地異の様に鳴り響き、シャンパンがパンパン泡を吹き、花吹雪の下で、庭一杯の気違い踊りが始まるのだ。愉快じゃないか」治良右衛門は他の三人のメンバーを捉えて、楽しげに話して聞かせた。
だが巨人の射的場なんか、カーニバル全体の一種気違いめいた、大仕掛けな、世にも華やかな乱痴気騒ぎの、ホンの一部分に過ぎなかったことが、やがて分る時が来た。
ゴンドラの唄
カーニバルの当日が来た。殆ど日本全国から集まった猟奇の紳士淑女は、前夜近隣Y市に一泊して、定刻正午頃には、例の緑樹のアーチの下へ、三々五々到着した。
アーチの下には、小波一つ立たぬ青い水面に、例のゴンドラが奇妙な船頭をのせて浮んでいた。