Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうをねらうもの
地球を狙う者
海野 十三
Lesen Sie 地球を狙う者 (ちきゅうをねらうもの) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.493 Zeichen · 30 Bildschirme
涼風ふく甲板
そう思うと、僕はなんだか極楽行の宝船にのりこんだような気がしてきてならなかった。ところが、これがとんだ感ちがいで、実はそのとき僕は、世にも恐ろしい目にあうための地獄行の運命船にのりこんでいたのだとは、ずっと後になってやっと分ったことである。
涼風ふく甲板
「おお、君は加瀬谷教授の門下かね」
その翌朝のことであったが、涼しい甲板の籐椅子に並んで、轟博士が精力家らしい大きい声でいったことである。すでに、自己紹介をすませていた。
「加瀬谷は、僕と同じ中学の出で――もっともわしが四年も上級だったが――よく知っているよ。そのころからわしは火星の研究をやっていたが、あいつは小さいくせに、いつも悪口ばかりいってね。『轟さんのように火星ばかりをのぞいていると、いまに火星の人間にさらわれてしまうぞ』などと、憎まれ口を叩いたものじゃ。あっはっはっ」
僕は、太平洋のまんなかで波にゆられながら、恩師の少年時代のうわさを聞こうとは、夢にもおもっていなかった。
「先生は、こんどもやっぱり火星研究のご旅行なんですか」
「なんじゃ、妙なことを聞く男じゃ」
「いや、ちがいましたら、おゆるしください」