Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
Lesen Sie 地球要塞 (ちきゅうようさい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.834 Zeichen · 144 Bildschirme
島の上に出ると、朝やけの空のもと、静かな海にはうねりもなかった。
昨夜、この辺に、執拗な索敵行動をくりかえした汎米連邦の艦隊は、影も見えなかった。空と海と、そしてクロクロ島だ。原始時代の昔にかえったような、まことに単純な世界の中の一刻であった。戦争もない、資源問題もない。只有るのは、今もいったように、空と海と、そしてクロクロ島だけであった。
私は、古ぼけた籐椅子に、背をもたせかけた。それから、肘掛の裏をさぐって、釦を指先でさぐった。番号の4という釦を押すと、足許の岩がバネ仕掛けの蓋のように、ぽんと開いた。そして下から、西洋の郵便箱のような形をした録音発声器がせりあがってきた。
私は発声器の後部をひらいて、鞄の中に入れてきた録音ワイヤを投げこんだ。ワイヤの一端を、スプールの一方の穴に止め、そして、蓋を閉じると、発声器は自然に録音を再発声しはじめた。
“――欧弗同盟側は、一切の戦闘準備を終了した。召集された兵員の数は、二千五百万、地下鉄道網は、これらの兵員を配置につけるため、大多忙を極めている”
これは汎米連邦のワシントン放送であった。
ちょっと途切れてから、また次の録音が声にかわった。