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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼっちゃん

坊っちゃん

夏目 漱石

Lesen Sie 坊っちゃん (ぼっちゃん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.491 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

すると不思議な事に、今まで頭の上で、たしかにどたばた暴れていたのが、急に静まり返って、人声どころか足音もしなくなった。これは妙だ。ランプはすでに消してあるから、暗くてどこに何が居るか判然と分らないが、人気のあるとないとは様子でも知れる。長く東から西へ貫いた廊下には鼠一匹も隠れていない。廊下のはずれから月がさして、遥か向うが際どく明るい。どうも変だ、おれは小供の時から、よく夢を見る癖があって、夢中に跳ね起きて、わからぬ寝言を云って、人に笑われた事がよくある。十六七の時ダイヤモンドを拾った夢を見た晩なぞは、むくりと立ち上がって、そばに居た兄に、今のダイヤモンドはどうしたと、非常な勢で尋ねたくらいだ。その時は三日ばかりうち中の笑い草になって大いに弱った。ことによると今のも夢かも知れない。しかしたしかにあばれたに違いないがと、廊下の真中で考え込んでいると、月のさしている向うのはずれで、一二三わあと、三四十人の声がかたまって響いたかと思う間もなく、前のように拍子を取って、一同が床板を踏み鳴らした。それ見ろ夢じゃないやっぱり事実だ。静かにしろ、夜なかだぞ、とこっちも負けんくらいな声を出して、廊下を向うへ馳けだした。