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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼっちゃん

坊っちゃん

夏目 漱石

Lesen Sie 坊っちゃん (ぼっちゃん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.491 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

広い所だ。鰹の一匹ぐらい義理にだって、かかってくれるだろうと、どぼんと錘と糸を抛り込んでいい加減に指の先であやつっていた。

しばらくすると、何だかぴくぴくと糸にあたるものがある。おれは考えた。こいつは魚に相違ない。生きてるものでなくっちゃ、こうぴくつく訳がない。しめた、釣れたとぐいぐい手繰り寄せた。おや釣れましたかね、後世恐るべしだと野だがひやかすうち、糸はもう大概手繰り込んでただ五尺ばかりほどしか、水に浸いておらん。船縁から覗いてみたら、金魚のような縞のある魚が糸にくっついて、右左へ漾いながら、手に応じて浮き上がってくる。面白い。水際から上げるとき、ぽちゃりと跳ねたから、おれの顔は潮水だらけになった。ようやくつらまえて、針をとろうとするがなかなか取れない。捕まえた手はぬるぬるする。大いに気味がわるい。面倒だから糸を振って胴の間へ擲きつけたら、すぐ死んでしまった。赤シャツと野だは驚ろいて見ている。おれは海の中で手をざぶざぶと洗って、鼻の先へあてがってみた。まだ腥臭い。もう懲り懲りだ。何が釣れたって魚は握りたくない。魚も握られたくなかろう。そうそう糸を捲いてしまった。