Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
今云った一間幅の廊下を横切って、控所へ這入ると、下はやはり和土で、ベンチが二脚ほど並べてある。小さい硝子窓には受附と楷書で貼りつけてある。自分はこの窓口へ行って、自分の姓名を書いた紙片を出すと、窓の中に腰を掛けていた二十二三の若い男が、その紙片を受取って、ありもしない眉へ八の字を寄せて、むずかしそうにとくと眺めた上、
「こりゃ御前か」
と、さも横風に云った。あまり好い心持ではなかった。何の必要があって、こう自分を軽蔑するんだか不平に堪えない。それで単に、
「ええ」
と出来るだけ愛嬌のない返事をした。受附は、それじゃ、まだ挨拶が足りないと云わんばかりに、しばらくは自分を睨めていたが、こっちもそれっ切り口を結んで立っていたもんだから、
「少し待っていろ」
と、ぴしゃりと硝子戸を締めて出て行った。草履の音がする。あんなにばたばた云わせなくっても好さそうなもんだと思った。
自分はベンチへ腰を掛けた。受附はなかなか帰って来ない。ぼんやりしていると、眼の前にジャンボーが出て来た。金さんがよっしょいよっしょいと担がれて来るところが見える。あれでも病院が必要なのかと思った。