Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

どうだねそれならどうか、おれの方で周旋ができようと思うが」

「はあありがたいです。何でもやります。帳附と云うと、どんな事をするんですか」

「なあに訳はない。ただ帳面をつけるだけさ。飯場にああ多勢いる奴が、やや草鞋だ、やや豆だ、ヒジキだって、毎日いろいろなものを買うからね。そいつを一々帳面へ書き込んどいて貰やあ好いんだ。なに品物は婆さんが渡すから、ただ誰が何をいくら取ったと云う事が分るようにして置いてくれればそれで結構だ。そうするとこっちでその帳面を見て勘定日に差し引いて給金を渡すようにする。――なに力業じゃないから、誰でもできる仕事だが、知っての通りみんな無筆の寄合だからね。君がやってくれるとこっちも大変便利だが、どうだい帳附は」

「結構です、やりましょう」

「給金は少くって、まことに御気の毒だ。月に四円だが。――食料を別にして」

「それでたくさんです」

と答えた。しかし別段に嬉しいとも思わなかった。ようやく安心したとまでは固り行かなかった。自分の鉱山における地位はこれでやっときまった。

翌日から自分は台所の片隅に陣取って、かたのごとく帳附を始めた。すると今まであのくらい人を軽蔑していた坑夫の態度ががらりと変って、かえって向うから御世辞を取るようになった。