Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
これは大変だと気がついて、根気に心を取り直そうとしたが、遅かった。踏み答えて見ようと百方に焦慮れば焦慮るほど厭になる。揚句の果は踏張の栓が一度にどっと抜けて、堪忍の陣立が総崩れとなった。その晩にとうとう生家を飛び出してしまったのである。
事の起りを調べて見ると、中心には一人の少女がいる。そうしてその少女の傍にまた一人の少女がいる。この二人の少女の周囲に親がある。親類がある。世間が万遍なく取り捲いている。ところが第一の少女が自分に対して丸くなったり、四角になったりする。すると何かの因縁で自分も丸くなったり四角になったりしなくっちゃならなくなる。しかし自分はそう丸くなったり四角になったりしては、第二の少女に対して済まない約束をもって生れて来た人間である。自分は年の若い割には自分の立場をよく弁別えていた。が済まないと思えば思うほど丸くなったり四角になったりする。しまいには形態ばかりじゃない組織まで変るようになって来た。それを第二の少女が恨めしそうに見ている。親も親類も見ている。世間も見ている。自分は自分の心が伸びたり縮んだり、曲ったりくねったりするところを、どうかして隠そうと力めたが、何しろ第一の少女の方で少しもやめてくれないで、むやみに伸びて見せたり、縮んで見せたりするもんだから、隠し終せる段じゃない。