Japanische Klassiker mit Furigana
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しおをのせたふね
塩を載せた船
小川 未明
Lesen Sie 塩を載せた船 (しおをのせたふね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.881 Zeichen · 12 Bildschirme
太陽は、やがて西に傾きかかっています。その日の光をながめて、ぼんやりと思案にふけっていますと、太陽は、にこやかな円い顔をして、
「いつまでも、こんな人情のない町にいたのではしかたがない。早く、日の暮れないうちに、ほかの町へいったほうがいい。」と、諭しているように思われました。
男の乞食は、自分たちに、不人情であった町をうらめしそうに、幾たびも見かえりながら、疲れた足をひきずって、とぼとぼと、また遠い道を歩いて、ほかの町をさしていったのであります。
それから三日ばかりたちました。ある町をあるきまわっていますときに、乞食は、三日ばかり前に自分がたってきた町が、すっかり海嘯のためにさらわれてしまった、というようなうわさを聞きました。
乞食は、夢のような気がしました。そして、あの町はどうなったろうと、りっぱな構えをした、いろいろな形をしていた家などを、目に思い浮かべたのであります。
「人間というものは、不幸にあわなければ、人情というものを悟るものでない。」と、彼は、いつか聞いた言葉を思い出しました。
「そうだ。あの不しんせつであった町の人々も、きっと思いあたったろう。