Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼちてんぼうてい
墓地展望亭
久生 十蘭
Lesen Sie 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.485 Zeichen · 93 Bildschirme
低く垂れさがった灰色の空から、絶え間なく霧のような氷雨が落ち、丸石の舗石をしっとりと濡らしていた。
竜太郎の熱意にかかわらず、「銀の喇叭が三つついた自動車」の捜索は、全く失敗に終ってしまった。
キャンヌ――ジャン・レ・パン――アンチーブ、とその辺まではどうやら追蹤することが出来たが、その先は皆目手がかりがなかった。一分間に二百台は自動車が通るという、この幹線国道では、「喇叭が三つついた、濃青か黒の自動車」だけでは、どうにもなるものではなかった。アンチーブまで蹤けたと思っているそれさえほんとうに、少女が乗っていた自動車なのかどうか、甚だ不確かな話だった。
それでも、竜太郎は希望を捨てなかった。
「夕刊ニース」と「馬耳塞朝刊」に大きな新聞広告を出して、三日の間待っていたが、ただの一人も、それを見たと申出るものがなかった。
自動車のほうは、どう考えても、もう、これ以上、手のつくしようがなかった。最後の希望は「グリュナアル」の「顧客名簿」の中から、鼬鼠のケープを買った、ブロンドの若い娘の住所を調べ出すことだけである。
竜太郎は、その夜、ニースから汽車に乗った。