Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Lesen Sie 変な男 (へんなおとこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.508 Zeichen · 81 Bildschirme

Aozora Bunko

そしてやがて云った。

「あなたくらい分らない方はありません。私がこんなに心配していますのに、当のあなたがそんなお心なら、もう口出しは致しません。いえ致すものですか。どうとでも勝手になさるが宜しゅうございます。どんなにお困りなすっても、もう一切存じませんから。」

彼女は腹を立てて、その腹癒せの気味もあって、やたらに気忙しなく用をしたり、そこいらのものをかき廻したりした。それを今井は済まなそうな眼付でちらと見やって、それから首垂れて考え込むのだった。

然し彼女のそういう腹立ちを、澄子は傍から可笑しがっていた。

「お母さんくらい可笑しな人はないわ。自分のことはそっちのけにして、いつも他人のことばかり心配しているんですもの。」

それを辰代は聞き咎めた。

「馬鹿なことを仰言い! 自分のことは自分でちゃんとしていますよ。あなたまでそんなことを云うなら、私はもう何にも知りませんから、あなたが何もかもしてみるがようござんす。他人さんのお世話をするのは、そりゃ容易なことではありませんよ。」

「だって、今井さんは初めから変人だと分ってるじゃありませんか。」

「いくら変人だからって、御自分のものを他人に持ってゆかれて平気でいるのは、あんまりひどうござんすよ。