Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Lesen Sie 変な男 (へんなおとこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.508 Zeichen · 81 Bildschirme

Aozora Bunko

見ると、辰代は押入の中に首をつっ込んで、手当り次第に品物をかき廻していた。

「お母さん、何をしてるの?」と澄子は静に尋ねてみた。

「何でもようござんす。あなたは学校の勉強でもなさい、遊んでばかりいないで!」

澄子は顔をふくらしながら、机の常に坐って、何を考えるともなく、ぼんやり考えに沈んだ。

玄関に残っていた中村と今井とは、暫くは口も利かなかったが、ややあって、今井は火鉢の上に伏せていた頻を、徐々にもたげて、度の方を向いてる中村の横顔が、眼にはいる所までくると、ふいに口を開いた。

「私が悪かったんでしょうか。」

「え?」と中村は見返った。

「私の方がそんなに悪いんでしょうか。」

「悪いと思ってあなたは謝ったのではないのですか。」

「悪い……というよりも、済まないと思ったんです。」

「どっちにしたって、結局同じことじゃないですか。」

「いえ違います。……じゃああなたは、私が悪いと思われるんですね。」

「私は何も事情を知らないんですから、悪いとか善いとか、そんなことは分りませんが……、」そして中村は軽い微笑を浮べた、「ただ、あなたは少し……芝居気が多すぎるようですね。」