Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

へんじんでん

変人伝

佐々木 邦

Lesen Sie 変人伝 (へんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.178 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

島崎さんが逃げて行った後、

「道彦、お前は島崎と二人でおれの悪口を言っていたな」

「そんなことはありません」

「いや、ある。おれはお前の将来のことまで考えていたんだが、もう見放した」

「悪口を言っていたんじゃありません。島崎さんに訊いて御覧になれば分ります」

と僕は弁解したけれど、叔父は只管思いつめていた。僕は追い出されないのが儲けものだった。叔父の靴はもう永久に諦めた。

数日後、菊池さんが来て、この問題に触れた。碁を打ちながら、叔父の感情を和げる積りだった。

「君は一口に友情がないと言うけれど、島崎だって、何うも仕様がないんだ」

「何故?」

「彼奴の家は僕や竹内のところと違って、嬶天下だ。島崎は君に地面を貸したくても、奥さんが承知しない。世の中は独身者が考えるように簡単じゃないんだ。何処の家庭にもそれ/″\事情がある」

「もう頼まないよ、あんな奴には。絶交だ」

「それじゃ困る。島崎に罪はない。嬶天下という事情に免じて堪忍してやれ」

と菊池さんは島崎夫人に責任を負わせた。会いっこないから大丈夫だと思ったのだろう。

「よし」

「分ったか?」

「うむ。その代りに君の家の庭を半分貸せ。