Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、そんな子供っぽい全体のなかで、睫毛の深い目だけが、まるで人生の裏ばかりをながめ暮してきた大人のそれみたいに、ときとしてこの上なくいやらしくかがやく。……ぼくは、へんにこの眸がきらいだった。陰険で、狡猾で、皮肉で、気のゆるせない人間、だれにも愛されず、だれも愛さないその不幸を、まるで武器だとしか考えていないようなその目が。……山口も、あるいはその目のいやらしさを意識していたのか、話をしていてもけっして相手とまともに目を合わそうとはしないようであった。

ところで、空腹はたえがたいほどになった。――いくら説得しようと努力しても、餓えきった胃はいっかな満足せず、薄氷のような疼痛だけをみなぎらせて、全身に力を供給しようとはしない。ちょうど四日にいっぺんの割で、ぼくは目がくらみ、どうにも動く気力さえ出せなくなる。朝、駅の階段がのぼれないのだ。途中でへたれこむ自分が可笑しくなり、笑うと、その笑いすら半分ほどで消えて、いつのまにかぼくは目を据えたまま短い吐息をくりかえしているのだ。……

やむをえず、ぼくは毎週水曜日か木曜日かの一日は通学を休んで、家で寝てすごした。