Japanische Klassiker mit Furigana
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme
「あいつ、どこ行っちゃったのかな」
疲れたので交替してもらうつもりでそうぼくがいうと、ローラーを押していた最年長の一人が、皮肉な顔でいった。
「山口さん? あの人は、こういうときはいつでもどこかで昼寝ですよ」
「あの人は、ナマケモノってんじゃなくて、ケチなんだね」と、するともう一人が陰気な顔のままでいった。「舌を出すのも惜しい、ちょっとのエネルギーを使うのも惜しい……」
そして人びとは、あわれな咳の音をまじえながら笑った。
「でも、ムリはないよ。カレの家は、はやくバラックじゃない家を建てるために、家族全員でお金を貯めているところなんだってさ。だからカレ、電車にも乗らずにここにくるし、昼食だって抜いてるんだ」
「どうして知ってんですか? そんなこと」
とぼくはいった。山口について、ぼくは家を建てる資金を貯める目的で彼が家族に協力して昼食を抜いてるなどとは、考えてみたこともなかった。
「ぼく?」と、するとその一人が答えた。「ぼくはカレの兄貴と同級生だったんですよ。こないだ道で会ってね、聞いたの。この夏にはもう、なかなかリッパな家が建つらしいよ」
一人がいった。