Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme
つまり彼は一棟まちがえてぼくの部屋に上りこんでしまったんだ。
ぼくの妹は邦子という。ところが土木技師だというその黒瀬にも、クニ子という従姉妹がいるんだそうだ。ぼくが二郎で彼が次郎。やはり妻と二人きりで暮している。まったく偶然とはいいながら、よくも条件が似てたものさ。
――そういやあ、なんだか今日はいやに娘っぽくなってやがるな、って思いましたよ。なにしろうちのほうは、もう四年目ですからねえ。
帰りしなに、お世辞のように黒瀬はそういったが、ぼくはうれしがる気にもなれなかった。ぼくが扉をあけるまで、妻もその男も、おたがいにまちがいに気がつかなかったということ、それがおもく胸につかえていた。
――だって、ドアをあけて私、そのまま台所に行っちゃってたんですもの。あの人はいつものあなたと同じようにすぐひっくりかえって夕刊を読んでいたし、私、あなた以外の人だなんて、ぜんぜん考えもしなかったわ。
ぼくが叱ると、妻はさもこわそうに部屋じゅうを見まわしながらいうのだ。
――きっと、部屋だけじゃなく、私たちとそっくりな夫婦なのね。あの人も、すっかり私を奥さんとまちがえていたんでしょう? いやねえ、なんだかこわいわ。