Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
そう思ったのは、しかし一つにはその絵がレインコートのすぐ下の娘の一糸もまとわぬ裸体を聯想させるからであった。
「とにかく、この裸を何とかしてやらなくっちゃならない」
幸い女中の持って来た寝巻があった。が、娘は小沢の見ている前では、恥かしくてよう着更えまい。
「君、これを着たらどうだ」
小沢はそう言って、いきなり部屋の外へ出て行った。
そして、わざとゆっくり便所から帰って来ると、娘はちゃんと寝巻に着更えていた。
しかし、その寝巻は寸法が長いので、娘は裾を引きずっていた。それが滑稽でもあり、そしてまた、ふと艶めかしくも見えた。
「長いね」
小沢が言うと、娘は半泣きの顔になり、
「ふん」
と、鼻の先で笑ったが、何思ったか急にペロリと舌を出して、素早くひっこめた。
寝巻に着更えたので、やっと人心地が甦ったのであろうと、小沢もふと心に灯のついた想いがしたが、それだけに一層不幸そうな娘がいじらしくてならなかった。
「ところで、も一度きくけど、一体どうしてあんな恰好で飛び出したの」
小沢は裸のことを、再びきいてみずには居られなかった。すると娘は急に悲しい声になって、
「それだけは、きかんといて……」