Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
ガマンとは、大阪でいう刺青の方言だ。だから、刺青の針助と書いてもいいわけだ。
「本当かい……テ、お前もよっぽど勘が悪いな。唖でなかったら、一言くらいものを言う筈やろ」
針助はお加代に言った。
「――その金は返してやれよ」
「唖からとるのはいけないって、いうの……?」
「そやない。実は、こいつ今日から、身内になりやがったんや」
「仲間に……? この唖が……?」
お加代は思わずきいた。
「そや、今日から青蛇団の一員や。おれも仕込むが、おまはんもよう仕込んだってくれ」
ガマンの針助は、キョトンと突っ立っている唖の娘の方を見ながら兵古帯のお加代にそういった。
「へえ……? あきれた。こんな唖が使いものになるの……?」
お加代は吐出すように言った。
「――青蛇団も随分相場が下落したわね」
「まア、そう言うな。これでも……」
と、針助は唖の娘をまるで品物か何かのように指して、
「――唖は唖だけの取得があるかも知れんぜ。それに、こいつ案外すばしこいとこがある。今日ちょっと仕込んだだけで、ちゃんともう一仕事しよった」
「あ、この端た金が……」
そうなの? ……と、お加代は唖の娘からまき上げた金を、未練気もなく針助に渡した。