Japanische Klassiker mit Furigana
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やしゃがいけ
夜叉ヶ池
泉 鏡花
Lesen Sie 夜叉ヶ池 (やしゃがいけ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.689 Zeichen · 56 Bildschirme
白き二根の髯、鼻下より左右にわかれて長く裾まで垂る。墨染の法衣を絡い、鰭の形したる鼠の足袋。一本の蘆を杖つき、片手に緋総結びたる、美しき文箱を捧げて、ふらふらと出で来る。
鯰入 遥々と参った。……もっての外の旱魃なれば、思うたより道中難儀じゃ。(と遥に仰いで)はあ、争われぬ、峰の空に水気が立つ。嬉しや、……夜叉ヶ池は、あれに近い。(と辿り寄る。)
鯉、蟹、前途に立顕る。
鯉七 誰だ。これへ来たは何ものだ。
蟹五郎 お山の池の一の関、藪沢の関守が控えた。名のって通れ。
鯰入 (杖を袖にまき熟と視て)さては縁のない衆生でないの。……これは、北陸道無双の霊山、白山、剣ヶ峰千蛇ヶ池の御公達より、当国、三国ヶ岳夜叉ヶ池の姫君へ、文づかいに参るものじゃ。
鯉七 おお、聞及んだ黒和尚。
蟹五郎 鯰入は御坊かい。
鯰入 これは、いずれも姫君のお身内な。夜叉ヶ池の御眷属か。よい所で出会いました、案内を頼みましょう。
蟹五郎 お使、御苦労です。
鯉七 ちと申つかった事があって、里へ参る路ではあれども、若君のお使、何は措いてもお供しょう。姫様、お喜びの顔が目に見える。われらもお庇で面目を施します、さあ、御坊。