Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.467 Zeichen · 47 Bildschirme
横浜からも、長崎からも、函館からも、または上海方面からも。数隻の外国軍艦のうちには、英艦がその半ばを占め、仏艦がそれに次ぎ、米艦は割合にすくなかった。港にある船はもとより何百艘で、一本マスト、二本マストの帆前船、または五大力の大船から、達磨船、土船、猪牙船なぞの小さなものに至るまで、あるいは動き、あるいは碇泊していた。その活気を帯びた港の空をゆるがすばかりにして、遠く海上へも響き渡れとばかり、沖合いの外国軍艦からは二十一発の祝砲を放った。
慶応三年十二月七日のことで、陸上にはまだ兵庫開港の準備も充分には整わない。英米仏などの諸外国は兵庫開港が条約期日に違うのではないかと疑い、兵力を示してもその履行を促そうと協議し、開港準備の様子をうかがっていた際である。外人居留地はまだでき上がらないうちに、開港の期日が来てしまったのだ。しかし、神戸村の東の寂しく荒れはてた海浜に新しい運上所が建てられ、それが和洋折衷の建築であり、ガラス板でもって張った窓々が日をうけて反射するたびに輝きを放つ「びいどろの家」であるというだけでも、土地の人々をよろこばせた。三か所の波止場も設けられ、三棟ばかりの倉庫も落成した。