Japanische Klassiker mit Furigana
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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
Lesen Sie 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.273 Zeichen · 31 Bildschirme
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真夜中に、第九工場の大鉄骨が、キーッと声を立てて泣く――
という噂が、チラリと、わしの耳に、入った。
「そんな、莫迦な話が、あるもんか!」
わしは、検査ハンマーを振る手を停めて、カラカラと笑った。
「そう笑いなさるけどナ、組長さん」その噂を持ってきた職工は、慄えた眼を、わしの方に向けて云った。「昨夜のことなんだよ、それは……。火の番の、常爺が、両方の耳で、たしかに、そいつを聴いたよッて、蒼い顔をして、此のおいらに話したんだ。満更、偽りを云っているんだたァ、思えねぇ」
いつの間にか、わし達の周りには、大勢の職工が、集ってきた。
「組長さん、それァ本当なんだ」別の声が叫んだ。
「なんだとォ――」おれは、その声のする方を見た。「てめえは、雲的だな。雲的ともあろうものが、軽卒なことを喋って、後で笑れンな」
「大丈夫ですよ――」雲的は大いに自信ありげに、言葉をかえした。「それについちゃ、ちィっとばかり、手前の恥も、曝けださにゃならねえが、もう五日ほど前のことでさァ。徹夜勝負のそれが、十二時を過ぎたばかりに、スッカラカンでヨ、場に貸してやろうてえ親切者もなしサ、やむなく、工場の宿直、たあさんのところへ、真夜中というのに、無心に来たというわけ。