Japanische Klassiker mit Furigana
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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
Lesen Sie 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.273 Zeichen · 31 Bildschirme
「さァ皆、懐中電灯を消すんだ」わしは扉の前に突立って云った。「静かに、中へもぐりこんだら、たとえ、どんな吃驚するようなことが起ろうと、声を立てちゃ、ならねえ。よしかッ。懐中電灯も、わしが命令するまでは、どんなことがあっても、点けるなよッ。折角の化物を、遁がしちまうからな。いいかッ」
一同は、それぞれ、肯いた。
重い鉄扉を、細目にあけて、ブルブル慄えている組下連中を、一人一人、押込んだ。最後にわしが入って、扉をソッと閉めた。
工場の中は、油の匂いが、プンプンしていた。そして、鼻をつままれても判らぬほど、絶対暗黒であった。何かしら、闇の中から、大きな手が出てきて、喉首をグッと締めつけられるような気味の悪い圧力を感じたのだった。
誰もが、黙っていた。番号をかけるわけにもゆかない。わしは、戸口のところから、手さぐりに、一人、二人と、人間の身体を数えて行った。彼等は、わしの手が触る度に、非常に驚愕している様子であった。そして、申し合わせたように、隣り同士がピタリと身体を寄せ、手を繋ぎ合わせていた。
「十三人!」たしかに、全員が、入口に近い壁際に、鮃のように、ピッタリ、附着しているのであった。