Japanische Klassiker mit Furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Lesen Sie 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme
その表面は心中と見えるが実は他殺である。その証拠に焼け爛れた短刀の中味は二人の枕元から発見されたにも拘わらず、その鞘の口金はそこから数間を隔てた廊下の隅から探し出された。
▲未亡人は二、三日前東洋銀行から預金全部を引き出したばかりでなく、家や地面も数日前から金に換えていたがその金は焼失していないらしい。
▲未亡人と一緒に焼け死んでいた青年は、同居していた夫人の甥で妻木敏郎(二七)という青年であることが判明した。同家には女中も何も居なかったらしく様子が全くわからないが痴情の果という噂もある。
▲当局では目下全力を挙げてこの怪事件を調査中……。
そんな事を未亡人の生前の不行跡と一緒に長々と書き並べてある。それを見ているうちにあくびがいくつも出て来たので、私は窓に倚りかかったままウトウトと居眠りをはじめた。
あくる朝京都で降りると私はどこを当てともなくあるきまわった。すこし閑静なところへ来ると通りがかりの人を捕まえて、
「ここいらに鶴原卿の屋敷跡はありませんでしょうか」
ときいた。その人は妙な顔をして返事もせずに行ってしまった。それから今大路家や音丸家のあとも一々尋ねて見たがみんな無駄骨折りにおわった。