Japanische Klassiker mit Furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Lesen Sie 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme
三
の逸品ばかりを一粒ずつ貰い集めたかと思われるほどの素晴らしいもの揃いだったのです。こんなものが、まだうら若い一兵卒のポケットに隠れていようなぞと、誰が想像し得ましょう。
三
私は頭がシインとなるほどの打撃を受けてしまいました。そうして開いた口がふさがらないまま、リヤトニコフの顔と、宝石の群れとを見比べておりますと、リヤトニコフは、その、いつになく青白い頬を心持ち赤くしながら、何か云い訳でもするような口調で、こんな説明をしてきかせました。
「これは今まで誰にも見せたことのない、僕の両親の形見なんです。過激派の主義から見ればコンナものは、まるで麦の中の泥粒と同様なものかも知れませんけれども……ペトログラードでは、ダイヤや真珠が溝泥の中に棄ててあるということですけれども……僕にとっては生命にも換えられない大切なものなのです。……僕の両親は革命の起る三箇月前……去年の暮のクリスマスの晩に、これを僕に呉れたのですが、その時に、こんな事を云って聞かせられたのです。
……この露西亜には近いうちに革命が起って、私たちの運命を葬るようなことに成るかも知れぬ。だからこの家の血統を絶やさない、万一の用心のために、誰でも意外に思うであろうお前にこの宝石を譲ってコッソリとこの家から逐い出して終うのだ。