Japanische Klassiker mit Furigana
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おとなのめとこどものめ
大人の眼と子供の眼
水上 滝太郎
Lesen Sie 大人の眼と子供の眼 (おとなのめとこどものめ) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.719 Zeichen · 10 Bildschirme
涙脆く、金銭にしまりのない、お調子に乗りやすい性質を多分にうけついだ自分は、まぎれもなく母方の血を引いているので、子供の時からこの祖母のごひいきだった。悧巧な兄は父方の祖母のほめ者だったが、母方の祖母は自分をつかまえて、おまえは兄さんよりもきっと偉くなるよ、と無責任なことをいって可愛がってくれた。時々そのお祖母さんの寝顔が狸に見えて、夜中に泣き出すこともあったけれど、年中とまりがけで遊びに行っていた。二階の縁側に置いてある籐椅子の上に足を投出して、目の前の川を漕ぎ下るボートを見るのが楽しみだった。夕方叔父が会社から帰って来る頃は、祖母に手を引かれて河岸に出て待っていた。大男の叔父の姿が見えると、自分は祖母の手を振切って、半丁ばかりかけていって、叔父の手にすがりつくのであった。
この甥を喜ばせるために、叔父は小石を拾って川水の上に遠く投げて見せた。真似をして投げる豆叔父さんの石は川の真中ぐらいで水に落ち、更にその真似をする自分のは、足もとの浅瀬に水音を立てるのであったが、叔父のは向こうの海軍大学の石垣にぶつかるのであった。その向う岸は幼い者にはひどく遠方に見えた。