Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおとねのおおものつり

大利根の大物釣

石井 研堂

Lesen Sie 大利根の大物釣 (おおとねのおおものつり) von 石井 研堂 (いしいけんどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.600 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

漁『ランプの油やマッチは、受合だろうね。』

船『出る前に、すっかり見て置きました。』

漁『それなら好いが……。松さんの前で、そう言っちゃ何だが、でも船頭に限って吃度忘れ物をするのでね。水を忘れた、餌入を忘れた、焚付を忘れたなんて、忘れ物をされると、折角楽みに来ても、却って腹立てる様になるからね。此の前、鱚の時に、僕の品匡を忘れられて、腹が立って立って堪らんから、そのまま漕ぎ戻らせて仕舞ったこと有ったが。』

船『何一つ不足でも、思う様な戦争出来ませんよ。釣だと思うからですが、生命のやり取りをする戦争だと思えば、淦取一つでも忘れられる筈無いですが。』

漁『ほんに、其の心がけでやってくれるから、嬉しいね。ア、餌入れ、日に当てない様にして下さい。』

船『半天かけておきましたから、大丈夫です』

漁『それなら好いが……。今日は、袋持って来たよ。』

船『袋は結構です。どうしても、えら物が来るようです。お茶屋さんも、袋でした。』

小桶の水に漬け置ける綸巻取り出し、そろそろ用意を始む。鈎は、四分なれば、其の太さ燐寸の軸木ほどにて、丈け一寸に近く、屈曲の度は並の型より、懐狭く、寧ろひょっとこに近く、怪異なり。