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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいりきものがたり

大力物語

菊池 寛

Lesen Sie 大力物語 (だいりきものがたり) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.677 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

家に着くと、女は水桶をおろしてきて氏長の手をはずして、笑いながら、「どうしてこんな事をなさるのです。あなたは一体どこの方ですか」という、近く寄って見ると、いよいよ美しい。

「いや、自分は越前の者であるが、今度相撲の節会で召されて参るものである」というと、女はうなずいて「それは危いことである。王城の地はひろいからどんな大力の人がいるかもしれない。あなたも、至極の甲斐性なしと云うわけではないが、そんな大事の場所へ行ける器量ではない。こうしてお目にかかるのも、御縁だからもし時間がゆるせば、私の家に三七日逗留したらどうか。その間に、あなたをきたえて上げましょう」と、いうた。

三七日とは、三七二十一日である。その位の日数は、余裕はあったので、氏長はこの家に逗留することにした。

二

ところがこの女の鍛錬法というのが甚だおかしい。その晩から、強飯をたくさん作って喰べさした。女みずからにぎりめしにして喰べさしたが、かたくて初はどうしても噛み割ることが出来なかった。初の七日は、どうしても喰いわることが出来なかった。中の七日は、ようよう喰いわることが出来たが、最後の七日には見事に喰い割ることが出来た。