Japanische Klassiker mit Furigana
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たいくうまかん
大空魔艦
海野 十三
Lesen Sie 大空魔艦 (たいくうまかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.098 Zeichen · 63 Bildschirme
丁坊をつりさげた綱は風にあおられて、いまにもぷつりと切れそうだ。切れたが最後、いのちがない。なにしろ氷上までは少なくとも七八百メートルはあるだろう。綱が切れれば、身体は弾丸のように落ちていって、かたい氷にぶつかり、紙のように潰れてしまうであろう。
迫ってくるこわさに、ともすれば丁坊の気は遠くなりそうだ。目まいがする。頭はずきんずきんと痛む。
「これはとても生命はないらしい。空魔艦の乗組員はひどいやつだ」
丁坊は、曲らない首をしいて曲げて、上を見た。空魔艦は悠々と上空をとんでいる。
「おや、また綱をくりだしているぞ」
丁坊が出てきた窓のところから四五人のマスクをした顔がのぞいている。そしてにゅっと出た手が、しきりに綱を下へおろしている。
「いくら綱をおろしたって、とても氷の上にはいかないのに」
そう思っているうちに、丁坊の身体は急に猛烈なスピードでどっと落下をはじめた。
「あッ、綱が切れたんだ」
丁坊は愕きのため息がつまった。目を開こうと思ってもしばらくは目があかなかった。いよいよもうおしまいだ。「笑い熊」機長の大うそつきめ!
この間数十秒というものは、丁坊が生れてはじめて味わった恐ろしさであった。