Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「だって聞いたんだもの。おいらが、こしらえ事をいったんじゃねえのよ」
「悪いや、お化けが出るなんて」
こういいながら石段を上る子供連。村里から机の屋敷へのぼるには、かなりの石段を踏まなければならぬ。
「だって、この間も、旅のお侍がいってたよ」
「何だって」
「あの道場へお化けが出るって」
「嘘だあい」
「聞いてみな、今度、旅のお侍が通ったら聞いてみな」
「どんなお化け?」
「知らねえや、おいらは見たことがねえから」
「嘘だい」
たしなめ役の丈の高いのが、お化け説をどこまでも否定する。
「お化けが出たって、夜だけだろう」
「そうさ」
「夜だけなら怖くねえや」
いちばん背の低いのが怖くないという。
「与八さんがいらあ、与八さんがいるから怖くねえや、与八さんは力があるんだぜ、とても力があるからなあ」
「駄目だよ」
おでこが差出口をする。
「何で駄目だい」
「与八さんは、力があったって、お人好しだから駄目だよ」
「お人好し?」
「ああ」
どちらもお人好しの意味がよくわからないで、
「お人好しなんていうのはおよしよ、与八さんは、ありゃお地蔵様の生れかわりだって、うちのおっ母がいってたよ」
「うちの父は、与八さんという人は、ありゃお人好しだっていってたよ。