Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「その竪の一眼は、愛染明王の淫眼といって、ことに意味深い表徴になっている」
「ナニ、いんがん」
「左様」
「どういう字を書くのだ」
「淫は富貴に淫するの淫の字――これは愛染明王が大貪著時代の拭うても拭いきれない遺品だ。横の両眼は悪心降伏の害毒削除の威力を示すが、竪の淫眼のみは、いつでも貪著と、染悪と、醜劣と、汚辱とを覗いてやまぬものだ」
「ははあ……」
神尾主膳は苦笑いしながら、何か当てつけられたように感じました。
暫くしてこの二人は、久しぶりで一石囲むことになって、おたがいに多忙の心を盤の上に忘れてしまいます。
当分は、この住職殿も、この屋敷の厄介になることだろう。
一方、廊下の隅の一間には、裏宿の七兵衛がドッカとみこしを据えてしまいました。
いつも風のように来ては風のように去る男が、今度は動こうともしないで、その一室をわが物ときめこんで、割拠して敢てくだらず、という意気込みです。
そうして、夜になると、蝋燭をともしてザラリザラリとキザな音をさせる。
これは相変らず、金銀、小粒、豆板、南鐐、取交ぜた銭勘定をしているに違いないが、金に渇えているお絹にとっては、この音が気障でたまらない。