Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
だから、物やさしい声で、
「それから茂坊、お前には御贔屓があることを忘れやしめえ。貴婦人――というのはなんだが、しかるべき後家さんや、御殿女中なんてのが、お前を可愛がりたがって、やいのやいのをきめていることを忘れやしめえ。叔父さんが話してやるから帰んな……よ、お寺へ話をしてやろう。お寺の誰に話をすりゃいいんだえ」
「叔父さん、御免よ、あたいは江戸へ帰りたくないんだから」
「わからねえことを言いっこなし」
「いいえ。じゃあね、叔父さん、弁信さんに相談して来るから、待っていて頂戴」
「弁信さんてなあ誰だい」
「あたいのお友達……今、縁側に腰をかけていたでしょう」
「あ、あの、小さい坊さんか」
「ええ、あの人に相談して来るから、待っていて下さい」
「それには及ばねえよ」
がんりきの百蔵は、茂太郎の左の手を容易には放そうとしないで、
「おいらが行って話をつけて上げるから。もともとお前はこっちのものなんだ――こっちといっては少しなんだが……親方のところへ帰る分には、誰も文句のいい手がなかろうじゃねえか」
「でも……」
「いいッてことよ」
がんりきは茂太郎の手を引張りました。
「ああ、弁信さあん」